Black Diamond

アメリカに移住して3年という月日が経とうとしている今日この頃。まあ、わかっていたけれど、自分にとって、まず参ったな。。。どう過ごそうか、乗り切るか。。。と移住する前から考えていたのが「冬」であった。基本、寒がりでもあるし、元々はカリフォルニアに住んでいたので天気のことなんか考えなくて良い贅沢な状況で過ごしていたので、この問題は早速1年目の冬にやってきたのだ。う〜ん、引越してぇ〜なぁ、寒すぎる。。。

。。。と、そんなところに、嫁のお父さんが、「俺もちょっと前から友人にすすめられてやり始めたんだけど結構面白いぞ」と。。。スキーをすすめられたのだ。まあ、確かに、これをやらなかったらミッドウエスト、もしくはミッドアトランティックの冬は「ただひたすら寒い」だけである。どういうわけか、たまたまなのか、都合の良いことに、おじさんは隣の州のスキーリゾート地に何人かのメンバーでシェアしている別荘を持っているので、合宿のような好条件でスキーに行けるという非常に贅沢な状況であるのだ。元々はスキーをやるからそこに別荘を買ったわけではないらしいのだが、せっかくスキー場が目の前にあるんだし、やってみるか。。。ということだったらしい。まあ、のんきな選択ではあるけれど、冬を有意義に過ごすには非常に良いじゃないか、と思い、自分もちょっとやってみることにしたのである。実は、もう20年以上も昔の話だけれど、スノーボードが出始めた頃にスノーボードをかじったこともあるので、まあ、なんとかなるだろ。。。ってな勢いで。

そんなわけで、最初はおじさんのブーツと板を借りて簡単なスロープ(グリーン)からやり始めたのだけれど、シーズンが終わる頃にはすっかりハマってしまい、雪が溶け始めてスキーが安くなった頃にとりあえず、自分の板とブーツを買ってしまった。基本は自分と格闘したい派なのでw、さあ、どこまで挑戦できるかな、といういつもの悪い癖も出てしまい、その翌年にブルーランを楽に滑れるようになり、最近では、ブラックダイアモンドにも出向いている。まあ、スキー場に通ってるペースが合宿状態だからね、笑。

まあでも、正直、初めてブラックダイアモンドに行った時は、さすがに参ったわ。ブルーが余裕なんだから、ブラック行ってもそこまで問題ないだろ、と思って半分ナメてかかったのが大間違い。ブラックの頂上に着いてスロープ見降ろした時にはさすがに笑ったさ。

「おい、何だよこれ、坂じゃなくて、崖じゃね〜かよ」って。

というのも、リフトに乗っている時にブラックランを見降ろせるのだけれど、リフトからの角度のせいか、距離のせいかわからないけれど、そこまで急には見えなくて、そこを普通に滑っている人達を見ていると、なんかいけそうに見えてしまうのだ。なんていうか、うまいギタリストが弾いているのを見たりすると弦がゴムみたいに見えて、なんか簡単なんじゃないか、って錯覚しちゃうようなあの感覚に近いのかな?

まあ、そんなわけで、自分の挑戦欲と頑固さのおかげで結構上達したのは良かったけれど、今度は、かっ飛ばし始めると板の方が自分について来なくなってきてしまったという問題が発生し、2シーズンで初代スキーを卒業することに。要は自分の滑り方に対して、スキーのフレックスが柔らか過ぎるってな状態になって来ちゃったわけだ。まあ、当然の事ながら最初は板のことも良くわからないし、自分がどういう板と相性が良いのかとか、どう滑りたいのかってのもよく分からなかったので、値段も手頃で楽そうな板という選択だったのだけれども。。。まあ、上達したのは良かったが、結構まだ新しいから、なんか、こんなに早く卒業かと思うと、良いんだか、悪いんだか。。。なわけだけれど、まあ仕方がないといったところだろうか。


そんなわけで、近所に元レーサーだったというオジさんがやっている店へ行って色々相談。HEAD の Power Instinct Ti っていうのをシーズンの終わり頃にデモして気に入っていたので、(アプリでスピード計ってみたけど、80km くらいのスピードで滑るくらいじゃ板は全く静かで良いのだが、1日中滑ると俺の方が結構ヘトヘト)そのことを話したら HEAD の Strong Instinct Ti を勧められ。。。でも、これって、Power Instinct Ti のひとつ下のモデルだけど大丈夫?2シーズン滑って卒業はさすがに嫌だよ、と話したら、「いや、君は体重がバカみたいに軽いから、どんなにハードに乗っても君がレーサーにならない限り絶対にこの板は卒業できないから。。。もし、物足りなかったら返品してくれて良いよ。。。」と口説かれ2代目スキーを購入。どちらにせよ、スキーは80日くらいべったり滑るとフレックスがへたってくる、ってのと、実際、5年も経つと、今度は板に注がれるテクノロジーもだいぶ変化してくるという理由もあるので、とりあえず、使って5年。まあでも5年使えるんなら良いや、と思い購入したものの、

「お、何?オヤジ、言ったな。。。」

と、密かに心の中で呟いているもう一人の自分が居るのであった。笑。

購入後の翌週、年末まではさすがに待てず、悪天候もお構い無しに早速試験走行に。。。

2枚のメタルでサンドイッチされたウッドコアのスキーを体験した後の、シンセティックコアにメタル1枚の作りは確かに軽い。フルサイドウォールコンストラクション(要は倒して曲がろう仕様)な上に、超軽量硬素材、グラフィンも使用されているとは言え、この軽さで本当に大丈夫なんだろうか?と半分疑いつつ滑りだしたのだが。。。

「おっ、ターンが楽チンなのは構造上納得だけど、こんなに板が軽いのにかっ飛ばしても、エッジも良くきくし高速での安定感も非常に良い!」

何よりも良いのは一日中滑っても疲れないという点だろうか。
うん、もっと早く買っときゃよかったね。。。

ちなみに、写真左が卒業した板、Elan Waveflex 76 (125/76/103) で、右が新しく購入した Head Strong Instinct Ti (129/82/114)。ヘッドの方が少し丈も長いってのもあるけれど、まあ、ご覧の通り、Head と比べると Elan が随分きゃしゃに見えるやね。Elanは決して悪い板ではないけれど、自分の持っているモデルだと、Icyな急斜面で飛ばすとバタつき始めてエッジホールドが甘くなってくる。クルーズ感覚で乗るだけなのであれば、非常に軽いのでオススメではある。多分、メタルは入ってないんじゃないかな。。。っていうか、俺は一体、何をしようとしているのだろうか?って話だな。。。

まあ、そんなわけで、移住当初、どう乗り切ろうかという悩みのタネになっていた「冬」も最近では「早くシーズン来ないかな、という冬」になっている今日この頃であったりしている。


これが冬のブラックダイアモンドである。



季節変わって夏。

昨年の今頃、最近、どう?みたいなたわいもない会話から相談のような話に発展し、最終的には仕事を引き受けるという話になったことがあった。最初に説明された依頼の条件と内容からすると自分の当時の立場からすれば、特に義理があるわけでもないし、先もよく見えないあまり利のない話だったので、本来その気は無かったのだが、もし、自分をその立場に置くのなら、こういうことなら出来る、とか、こうしたら、良いんじゃないの?とか、こういう条件だったら考えるけどね。。。などという話をしているうちに、先方は自分が提示した条件で話を通してくれたので、じゃあ、やってみるかな。。。という具合に話が進んでいったのだった。自分の記憶が正しければ、これが話の始まりである。事実、自分からすると、安定しすぎていて刺激がなくなっていた生活からどう脱出しようか?などと思っていたところだったので、良くも悪くもタイミングが合致してしまったのだ。

自分が聞いた話の印象では、「発起人が人を集める&扱うのに頭を悩ませている」、だったので、自分が話を受けてそこらへんをなんとか出来れば、それはそれで良いし、かなりの苦戦があるのは分かっていたにしても、関わっている者同士が後で笑い話にでもなるんだったら、それはそれで良いじゃないか、くらいのテンションで臨んだものの、実際、現場に着き、蓋を開けてみたら、「ああ。。。これが何かスケッチーだな、と思っていた悪臭の元」か、と、ハッキリ気づいてしまったのがことの始まりである。気付かなきゃ良かったとは思うものの、時すでに遅しであった。困ったちゃんは周りではなく、嘆いていた張本人であったのだ。

日本人同士でよくある口約束、これは本来、守られるから成り立っていたものであるが、形式だけが都合良く残り、今や大半の場合、この類の奴らに悪用されているってのが事実なのではないだろうか?だから雇われたもの同士での答え合わせが始まる。「言っていた話と違う」とか、「小切手が銀行に行っても落ちない」とか。。。その他諸々。。。あげていけばキリがない。だから始まる前からキレる奴も入れば、トンズラぶっこいて来ない奴も出てくるわけだ。コミュニケーションを取ろうとするならまだしも、面倒臭そうな話にはレスポンスしないんだから当然の結果だろう。そういう一番上に立って決定権を持っている者が「おもてなしをしたい」だとか、「アットホームな場所にしたい」だとか、「オーセンティックにしたい」とぶっこいてるんだから聞いて呆れる。まあ、口約束なら「覚えてません」を使い分けられるわけだから、全く都合がいい話である。

仕事上、ミスや失敗というのはどうしても出るのは事実仕方がない。それをどう処理するか、または、限りなく0にしよう、ということに対してどの会社も色々な努力をしたり、策を取っているものだ。が、しかし。。。舵を取っている奴が先頭切ってコケているんだから頭が痛い。頭であるとは言え、「すみません」の一言でもあれば可愛いもんだが、それを「素人なんで。。。」で言い逃れようとしたり、「人のせい」にするんだからガックリである。自分の周りの者のせいにしたり、さもなければ海の向こうの者のせいにまでしてしまうんだから、その頑固さには逆に頭が上がらない気分にもさせられたりしてしまう。いずれ、そういう奴には最終的に責任とってケツ拭かなきゃならない時が来るんだから。。。と思って傍観してやろうと思っていたのだが、なぜか都合の良いことに本人の名前は法的書面には無いのである。うん、きっと記載するのをいつものように「忘れてしまったんだね」。。。

あんまり書いているとブログが本になってしまう&腹が立ってくるので、細かいことはここら辺でせき止めて置くとして。。。(まあ、なんとなく状況はわかって頂けただろう)


あまりの短期間のうちにこみ上げて来ていた負のエネルギーに無理やり蓋をして自分の中に抑え込んでいた為、決着はマイクタイソンの試合くらいに早く決まってしまった。申し訳ないが、自分はこういう「筋が通ってないこと」に対してのストレスを自分の中で抑えることに対して非常に抵抗力がない、苦笑。こういう案件だということは多分、当時、紹介してくれた本人も、もしかするとそこまで気づいてなかったのかもしれないが、俺が現場でブチ切れなかったのは、ハッキリ言ってその紹介してくれた本人に対しての義理だけである。その現場を去るに当たって、「口約束契約」して切ってもらった小切手も紹介してくれた本人を仲裁に全部チャラということで終わったが、実は、その小切手は「最初から空チェック」で、銀行に行っても落ちなかったという事実は仲裁してくれていた彼も知らなかっただろうと思うとなかなか悲しい話である。そんな「数字だけ偉そうに書かれた小切手」を奴は返却して欲しいと言うんだからこれまた呆れた話である。まったく、数字書いて払った気になれるなら、俺でも出来るさ。まあでも、返して欲しかったんだろう。。。それが最初から引き落ちない小切手だとバレちゃ困るだろうから。。。要は俺は自分の心に踏ん切りをつけるためにこいつがどんな返答してくるかを確かめたかっただけだ。。。もともと、切れたいと思っている奴から金を取る気など、最初からサラサラない。もらったために面倒になり得ることを考えたら、実はそっちの方が全然安い話であるからだ。


ちなみに後日わかった話だが、俺に対して「やる気なかったんですかね?」と紹介してくれた彼に漏らしていたたそうだが、こちらからすると、「どんなやつか分かっちゃったからやる気が失せた」が正しい答えである。彼も彼で、俺のことを無責任な奴だと、海の向こうから同調していた様子だったので、「ああ、今、俺が何を話したところで聞く耳はないなし、話したところで誰にも利はないな。。。」と、非常に残念な気持ちでもあった。どっちかと言えば、散々ドタバタな中、本番の初日に途中で居なくなり、翌日平気な顔して「昨日どうでした?」と聞いてくるやつの方が感覚的には無責任なのではないかと自分は思うのである。「どうだか知りたかったんだったら、お前も最後まで居れば良かったんじゃないの?」と思う俺の方が普通の感覚であると思うのだが。。。まあ、居なかったお陰で、その初日の夜に緊急ミーティングは開けたが、笑。まあ、そんなことも含め、ムキになってやったところで、後から何かあった時に色々言われるのも面倒なので、出来るだけ静かに退散することを心がけたのであった。(まあ、多分、退散した後も有る事無い事言われてたんだろうとは思うが、苦笑)

あ、しまった。腹が立ち過ぎて、せき止めて置くつもりがつい。。。

そんなわけで、退散後、今度は洪水が襲って来たのだ。う〜ん、車で1000マイルも走って来た瞬間からずっとツイてない、苦笑。ヒューストンに来てから結局金は出て行くだけの一方通行。お陰で普通預金の数字が下っていくスピードはボディー・ミラーのダウンヒル級である。


これぞまさに人生のブラックダイアモンド、夏の陣である。


さあ、ここからどう巻き返すのか、ここからは自分次第である。自分の足を引っ張るやつがいないと思うだけで、正直、気は楽である。詳細を書くとまた長くなってしまうので、俺話は省略するが、どういうわけか、洪水後からはツキがまわって来た。ツキがまわって来たといっても、当然、楽なわけではないが、結局なんとかしてしまったのだ。(多分、俺の懲りない原因はここにあるのだろう、苦笑)とりあえず、普通預金の数字もだいぶ戻って来たし。。。ここまでくれば、後はどうにでもなる。。。それにしても、全く、やれやれな話である。


なんでこんなことを今更書くのかって?。。。
それは俺が今これを書いても大丈夫な時期になったからっていうことだ。俺からすればそりゃそうだろ、って結末だが、Chapter11 も法廷で却下され、もう無いビジネスに支障はきたしようがないだろうって単純な話だ。それほど影響力があるとは思えないが、最中に色々書いて、人のせいにするのが得意な奴に妨害のレッテルを貼られるのはごめんだからだ。要するに、思いやりだよ、バカ!

だから、この機会に貸しがある奴はちゃんと清算もしくは精算してもらえよ。

まあ、何しろ、半分分かっていながらもおバカな選択をしたのはよく分かっている。お陰で色々な代償を払わされる羽目になったのは言うまでもない。しかし、今になっても時々考える。。。なぜ、こんなことを自分は選択したのだろうかと。。。その答えはよく分からないが、この先、自分なりの答えが出せる時が来るだろうと楽観的に構えている今日この頃であったりする。


まあ、どちらにせよ、今のところハッキリしていることは、「思いっきりスベるなら、やっぱり冬のブラックダイアモンドだよな。。。」、ってことくらいである。

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